喧嘩は猫も食わない「リーナとディミってすごいわよね〜!」
「胸が?」
「ばかっ!違うわよ。あんなにタガーにアピってるのに、二人が喧嘩してるとこ、見たことないし〜!」
穏やかな昼下がり。
広場のタイヤの上で寛ぐ、ジャンクヤード中で最も厄介なプレイボーイ猫と、彼にしなだれかかる二人の美しい雌猫ーーボンバルリーナとディミーターーを、少し離れた塀の上から感心したように眺めるジェミマだったが、
「あの二人ねぇ……。あぁ見えて喧嘩しまくってたぞ、前はな」
と呆れたように首を振るランパスに「えぇっ!?そうなの!?」と目を丸くして振り返った。
「その時の話、聞かせて頂戴な♪」
「何々〜〜?!アタシも聞きたい聞きた〜い!」
「ランパス、わたしも知りたいなぁ〜!ねぇお願〜い!」
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