学パロリンゼル 夏祭りに行ってみたいと言うゼルダの要望を叶えてくれたのはインパだった。
本来ならば受験を控えて夏祭りなど行けない身の上なのだが、こういうときに中高一貫校に通っていてよかったと思う。
浴衣に着替えたゼルダは、いつもと違う髪飾りや履き物に胸をときめかせながら準備をし整えた。わくわくしながらインパと待ち合わせ、祭り会場へと向かう。
おしゃべりしながら屋台でたこ焼きを買ったり、綿飴をちぎったり。普段なら買わないものも、この時ばかりは買えてしまう。
肩車をした親子連れ、フランクフルトを食べるカップル。人の多さもこの熱気も、夏祭りに来ているのだと思えば雰囲気そのものが楽しくて仕方ない。
人ごみの中を周りのペースに合わせながら歩みを進めていると、人がわっと増えた。駅に到着した電車から降りてきた人々だ。
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