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    nal_00

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    nal_00

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    Ace氏の前世の最期ってこんな感じかなってイメージして書いたやつ。ちょいグロ注意

    それは白黒戦争の最中、黒側が少し追い詰められた時の事だった。
     歩兵が次々と命を奪われていく。人数の差はやはり埋めることが出来ない。黒側は誰がどう見ても不利な状況であった。普段は下僕を巧みに使い、自身は指揮を取る立場である筈の王の側近ですら、先人に立って自らが戦闘に加わっていた。
     そして、この後に起きる出来事により、事態は大きく動き出す。
     気配を隠すのが巧妙な敵が、混乱の中を利用し王に奇襲を掛けた。同胞の死や敵襲により反応が遅れてしまい、このままでは確実に死……そんなときだった。
     目の前で、鈍い音がした。
     誰よりも王を慕い、敬い、そして順従であった彼の側近が、彼が受けるはずだったその一突きを受けた。
    「かハッ……。全く……貴様らは手加減と言うものを知らぬか……」
    「Ace……?」
     Aceと呼ばれる側近の腹には、厚い大剣が貫通していた。
     王はその場で動かなければならなかった。しかし、あまりの衝撃が脳に大きなダメージ負荷を負わせたのか、何も考えられず、頭が真っ白になってしまった。敵集もまさか失敗するとは思いもよらなかったのか、暫く呆然と立ち尽くしていた。
     その場では、側近から溢れ出る血液が地面へと滴る音のみが響いていた。
    「貴様らに呉れて遣る……げホッ……余からの最後の贈物だ……有難く受取れ!!」
     取り出したのは液体が入った小さな小瓶。小瓶のコルクを歯で挟み、抜いたと同時に敵集に中の液体をぶち撒いた。
    「うわっ!!何だこれ何かけやがった!!こんの野郎!!」
     大剣を抜くと、栓をされていた血管から大量の血液が溢れ出す。その場は一瞬にして血の海と化した。
     ドサリと体が地面に倒れる。血液が溢れ出て軽くなった筈の体は何故か重かった。

     嗚呼、王。あれを撒いたからには、もし我々が敗北したとしても、奴等は今後も苦しむ事と成るでしょう。余は最善を尽くしました。だから王よ。そんな悲しそうな顔をしないでくれ。

     鳴り響く怒涛と悲鳴の混ざった喚声が、段々遠くなった。
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    nal_00

    MEMOAce氏の前世の最期ってこんな感じかなってイメージして書いたやつ。ちょいグロ注意それは白黒戦争の最中、黒側が少し追い詰められた時の事だった。
     歩兵が次々と命を奪われていく。人数の差はやはり埋めることが出来ない。黒側は誰がどう見ても不利な状況であった。普段は下僕を巧みに使い、自身は指揮を取る立場である筈の王の側近ですら、先人に立って自らが戦闘に加わっていた。
     そして、この後に起きる出来事により、事態は大きく動き出す。
     気配を隠すのが巧妙な敵が、混乱の中を利用し王に奇襲を掛けた。同胞の死や敵襲により反応が遅れてしまい、このままでは確実に死……そんなときだった。
     目の前で、鈍い音がした。
     誰よりも王を慕い、敬い、そして順従であった彼の側近が、彼が受けるはずだったその一突きを受けた。
    「かハッ……。全く……貴様らは手加減と言うものを知らぬか……」
    「Ace……?」
     Aceと呼ばれる側近の腹には、厚い大剣が貫通していた。
     王はその場で動かなければならなかった。しかし、あまりの衝撃が脳に大きなダメージ負荷を負わせたのか、何も考えられず、頭が真っ白になってしまった。敵集もまさか失敗するとは思いもよらなかったのか、暫く呆然と立ち尽くしていた。
     その場では、側近から 846