「沙都子ごめんなさい…」
梨花は心底申し訳無さそうな顔をしてる
でも沙都子の機嫌は直らない。
今日は梨花と放課後一緒に遊ぼうと約束していた
なのに突然他の生徒から梨花に相談したい事があると言われ急遽私との遊びはパアにされた
「その子凄く泣いていて…流石にほっとけなかったのよ…」
梨花は困った顔で言い訳をする
最近梨花にやたらと悩みを相談して来る生徒が増えている。
でもだからって梨花も人が良すぎる。自分の方ばかり優先しろとは言わないが梨花が甘過ぎるから余計そんな生徒が増えるのだ。
「…もう良いですわ精々お上品なお友達と仲良くあそばせ」
沙都子が拗ねて梨花に背を向けて歩き出そうとする
「あっ…待って沙都子」
梨花が慌てて沙都子の手を取る
「んっ」
唇に柔らかな感触
沙都子は梨花にキスをされていた
「ね?…沙都子許して?」
そっと唇を離して梨花が上目遣いでじっと見上げてくる。
「つっ…」
ズルいと思う。淡く桃色に染まった柔らかそうな頬にキラキラと光を溜めた大きな瞳に見つめられたら
可愛らしい花弁みたいな唇でキスをされたらそれだけで許してしまいそうになる
「ちゃんと埋め合わせするから…ね?」
確かに梨花はこう言う事があってもちゃんと後で埋め合わせしてくれる
沙都子の勉強も見てくれてる
勝手。傲慢。気まぐれ。鈍感。根っからのお姫様体質。
でもとっても優しくて深い愛で私を包んでくれる
私の暖かな光
大好き
「…分かりましたわ梨花。怒ってしまって申し訳ございませんわ」
沙都子が表情を柔らげて言う
「沙都子との約束を破ってしまったもの…沙都子が怒るのは当然だわ。絶対ちゃんと埋め合わせはするから」
梨花がホッとした様に柔らかな笑顔を浮かべる
その笑顔を見てつい沙都子は立ち去ろうとする梨花の腕を取った
「沙都子…?んっ」
沙都子は梨花の唇にキスをした
そのまま舌を入れて絡める。すると梨花も負けじと舌を絡めてきた
「んむっ…んちゅ…ンう…」
ゾクゾクする
梨花とのキスは気持ちよくて蕩けそう
ずっとこうしていたい…梨花の心を独り占めしたい面倒な勉強も規則も友人関係も何もかも捨てて梨花と二人きりの世界でずっと愛し合っていたい
でも現実はそんな甘くない
「んっ…そろそろ行かなくちゃ…」
梨花が名残惜しそうに唇を離す
「ええ…そうですわね…」
沙都子も同じ様な表情をしているだろう
「…ねぇ沙都子今度の休み一緒に出かけない?ちょうどテストも終わる頃だし」
梨花がふと思い付いた様にパッと笑顔になって言う
「えっ本当ですの!」
沙都子もさっきまでシュンとしてたのに途端に子犬が尻尾をふる様に元気になる
その様子を見て梨花はクスクス笑いながら
「ええ…その代わりテストを頑張るのよ?」
「ハア…それは言われなくても分かってますわ…」
クスクス笑いながらファイトお~なのですよ〜と言って沙都子の頭を撫でる梨花とも〜と言いながらも笑ってる沙都子。
これからも大変な事は沢山あるし衝突もするだろう
でも二人ならどんな障害も乗り越えて行けるはずだ