見慣れたはずの知らない街強い日差しを浴びながら、春馬は遅刻してるにも関わらずゆっくりと学校に向かっている。家から学校まではそう遠くなく、歩いて10分程度で着く距離なのでそんなに急ぐ必要は無い。だが一番日差しの強い時間帯なのでかなり暑い。暑さで自然と歩く速度が遅くなってしまう春馬に、繋げっぱなしだった電話から叶汰が急かすように話しかけてくる。
『午後の授業開始まであと15分だけど、ちゃんと急いでる?』
「急いでるつもり…。外暑すぎて体動かしたくないよぉ…。」
今とおっている学校までの近道である住宅街の通路には、この時間帯に日陰のできる場所がない。休憩しようにも暑い場所にただ突っ立っていることくらいしか出来ない為、休憩せずに進んだ方がマシだ。
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