親子丼の思い出 呪術高専一年、七海建人は、高専の共同キッチンで冷蔵庫を覗いていた。
夕食の時間はとっくに過ぎている。先程、任務から帰ってきた七海は、何か温かいものが食べたいと思ったのだ。備え付けの冷蔵庫に入っているものは自由に使っていい。ただし名前が書いてあるものは除くが。それぞれの名前が書いてあるプリンやヨーグルトなどの下、チルド室に鶏肉が残っていた。ああ、鶏が食べたい…七海は思った。
しかし、鶏肉をどうしよう。豚肉ならば、適当に野菜と炒めれば、野菜炒めができる。しかし鶏肉は。普段よく食べているものなのに、調理方法が浮かばない。唐揚げ…は、準備が大変そうだし難しそうだ。焼くか。塩胡椒を振って焼けばいいのか…
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