厄災 生きて飛行機を降りた乗客の中でも、数人は持たなかった。それでも、「機内で死ぬより、地上で看取れて良かった」と家族に慰められ、副機長ヒョンスと元機長ジェヒョクは頭を下げた。
自分は彼と一緒に礼を言われる筋合いはないだろう。あの操縦席に座る資格も無かったと思う。
犯人があの飛行機を選んだのも、半分は自分のせいだと思った。だが、彼が別の飛行機に乗っていたらどうなっていたのかもわからない。悪いのは犯人で、それで起こった悪いことも全部、犯人の悪意のせいでしかないのだ。
ヒョンスの病室は花でいっぱいだ。
どこへ行っても信頼される人の好い男で、いざという時も頼りになる。
ジェヒョクとスミンの症状は軽い方で、まだ検査と経過観察のために通院はしているが、もう自宅に戻っている。幸い、入った病院でしばらくスミンのアトピーも診てもらえることになった。
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