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    @ranu_cha2
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    遭難者

    MOURNING玉蘭と木蓮のはなし
    玉蘭はハクモクレンを指すみたいですが…薄目でお願いします 焦
    「藍湛、知ってたか?玉蘭は東贏で木蓮と呼ばれているそうだ。昔、師姐に教えてもらったんだ。」


    まだ寒さが残る季節。相変わらず美味い天子笑を飲みながら、ほころび始めた白い花弁を見上げる。




    『──阿羨、玉蘭のことを東贏では木蓮というらしいの。』




    そう教えてくれた師姐を思い出す。
    あれは、雲深不知処の座学に参加する少しまえだっただろうか。花の名前をひとつ知ったことで何故そんなに嬉しいのか当時は不思議だったが、あまりにも嬉しそうに笑う師姐見ているとこちらも幸せな気分になったのを覚えている。
    今ならあの時の師姐の気持ちが少しわかる気がする。


    『──違う花なのに、同じ木に使われるなんて不思議ね。』


    「蘭」陵と「蓮」花塢の二つの違う花の名を持つ木がある。まるで両家を繋ぐように感じたのだろうか。普段なら気にならない些細なことに、何やら運命のような縁を感じて嬉しく思ったのだろう。
    いつも優しく俺達を包んでいてくれたけれど、師姐だって幼い少女だったのだ。あの時の師姐は恋をしていたのだと、今ならわかる。


    「木に咲く蓮とは何だか妙だけど、雲深不知処で蓮を見られるとは思ってなかった 1893

    chunyang_3

    MEMOCQL話数ワンドロワンライ5回目(41〜50話)。50話の思追と温寧です。番外編も含めて叔父さんって呼んでるの良いなぁと思っています。思い出さない方が良いと思っていた温寧が、二人で一緒に走って追いかけるんだなぁというところが改めて嬉しいなと思いました。
    焔つなぐ 少し前からもしかしたらと思うことは幾度もあった。己が一体どこの家に生まれ、父母亡き後に一体誰と一緒にいたのか。
     思追は幼き日のことを覚えていなかった。けれどそれは忘れていただけだったのだ。もう会うことは叶わないはずだった人に出会ってから、忘れ去られていた記憶は少しずつ断片的に焔が灯るように蘇っていた。真っ暗な夜空に散らばっていた小さな灯りは、輝く星が互いに繋がり星座を描くように、段々とその全容を理解することができるようになっていた。
     観音廟の外に出ると、思追は駆けつけた他の子弟達に囲まれ、無事を喜ばれながらも観音廟での事の顛末を聞かせてくれとせがまれた。温寧を追いかけて辿り着いてからのことだけでも、思追が説明することは難しい。ましてや金光瑶がどのような人物であったのかを語ることもできそうにない。十六年前に起きたことについても同様だ。それでも、この目で見たことや感じたことはしっかりと覚えておきたいと思った。だからこそ、今はまず不確かな己の過去と向き合いたかった。
    1910