主人公『埜雲くん……どうしてここに?』
埜雲「{主人公}さん。……貴方に……どうしても言わなきゃいけない事があって」
主人公『言わなきゃいけないこと……?』
埜雲「…………。……僕は、ずっと、図書室に独りぼっちで。友達も居なくて、本ばっかり読んで、空想に逃げて……」
埜雲「多分、それは…………現実が嫌だったからなんです」
埜雲「厳しくて苦しくて、息のしづらい現実世界が嫌で……何より、何も出来ない現実の自分が嫌いだった」
埜雲「何も面白くない、ドラマチックの一つも無い、そんな自分が」
主人公『埜雲くん……』
埜雲「……でも、貴方が来た」
主人公『!』
埜雲「貴方が、図書室の扉を開いてくれたから……何にも無かった現実の僕に、始めて物語が生まれたんです」
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