共犯「よっ、七海。お疲れさん」
「ああ、お疲れ様です、五条さん」
この日の授業を全て終え、五条は報告の為に訪れていた七海の元に顔を出した。
彼は京都に出張に出ていたので、戻るのは実に五日ぶりだ。
「どう、歌姫元気だった?」
「ええ、お元気そうでしたよ。それより五条さん、コレなんですが」
「ん?何?」
七海が自分に相談なんて珍しい。
そう思いつつ、彼の隣に腰を下ろしてその手元を覗き込む。
「えーと、何々…あれ?コレ、もう処理済の案件じゃない?」
「やはりそうですよね…一級以上の確認が必要な書類の中に混ざっていたんですが、」
「多分間違えたんじゃない?持ってきたの、誰?伊地知?」
「いえ、違いますけど」
緩く首を横に振る七海に、五条はテーブルの上に広げられていた茶菓子を手に取って頬張りながら笑う。
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