原曲が完成しすぎててアレンジするとバランスが崩れる典型的なやつ。
VISINERZは原曲が一番ですね。
ただ後半のFAKE、singing in the Brain、tranquilizer、SELFの流れは物語性があってとても良き。
FAKEの胡散臭い虚飾の豪華さ、singing in the Brainのどこか不穏さを感じさせる遊園地BGMのと続くなんか熱を出した時に見るお花畑ドリームみたいな雰囲気からの、凍てつく刃物みたいなtranquilizerのピアノイントロで、お花畑から真冬の日暮に凍りついた海沿いの廃墟に放り出されたみたいな落差を味わって、情緒なんてものと全く無縁に淡々と無機質なリズムを刻むSELFで締め。っていうね。
SELFはドラムの音が淡々と一定で刻んでるんだけど、一回だけ不整脈みたいな跳ね方するし、規則正しいのにズレてるしで初見はたぶん不快感しか感じないアレンジだと思うけど、聞いてるうちに味わい深くなってくる不思議な曲に仕上がってる。
原曲がメロディアスで情感たっぷりなぶんの対比が効いてる。
イヤホンじゃなくてス低音効かせたスピーカーで聴いてほしい曲。
今となっては入手困難なので布教しようにもできないというそんなアルバム。