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    Dochi_Kochi28

    @Dochi_Kochi28
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    Dochi_Kochi28

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    アモアキ(亜アキ)ショートショート
    本編その後 チョット創作入れてます 解釈違いご注意ください アキラさんが博士になってます

    ぼんやりと、天井が明るくなってきたころ。
    珍しく、目が覚めた。
    その前の夜に言われたことが引っ掛かっていたからだ。

    始まりは同じ部屋に住んでいる酔っ払いの一言だった。
    「なぁ。君は、あと何年生きるんだ?」
    言われた直後は「さぁ、な。」と言葉を濁したが、いつかは向き合わねばならないことだった。
    「後、何年、か。」
    彼女を起こさないようにベッドを抜け出し、ベランダに出て、ぼんやりと考えを巡らせていた。
    人として短くなったであろう寿命をこのまま全うするか。
    それとも、実験体になってでも処置を受けて、できるだけ長く彼女と一緒に生きるか…化け物になってでも生きて、そばで支え続けるか。
    俺にとってはとても重たいことなのだと思う。

    振り返り、まだ目を閉じたまま、さっきまでの酔っ払いぶりはどこに行ったのか、というくらいにおとなしくすやすやと眠りについたままの彼女を見やる。
    置いて、行きたくない。
    二度も彼女を泣かせたくないな、と思う。
    そうか。簡単なことなんだ。
    心がすっと軽くなったような気がした。

    その朝。
    朝食を食べ終えたアキラを正面から抱きしめて、なるべく自分の顔が見えないようにして。
    「・・・ラボで、治療を受けようと、思うんだ。」
    「どうした?」
    「そばで支える、と言ったからな。二回もお前を置いていきたくない、と思ったんだ。」
    もしかしたら、昨日の夜の記憶なんかないかもしれないけれど。それでも、今、伝えておきたいと思った。
    「・・・君にとって、相当つらいことになるかもしれんのにか?食事だって・・・」
    「耐える。お前と一緒に、できるだけ長くいたいから。」

    ここまで口にして、もう、ダメだった。アキラが声を押し殺して、涙でぐしゃぐしゃになった顔を俺の胸に押し付けたから、頭の中が半分真っ白になって、気が付いたら必死に彼女をあやしていた。
    そんな中、君はバカだ、だとか、何を言っているんだ、だとか弱弱しい涙声で、ありったけの罵声を浴びせられた。けれど、彼女が俺の背中に回してくれた手は反対に物凄く優しかった。


    「いつものやつを、ハイセの店で頼む。」
    「ブラックコーヒーをタンブラーに、Lサイズ、か。」
    「サンドイッチも、な。」
    「わかったわかった。真戸博士殿。季節限定のフルーツサンドが出ていたが。」
    「追加でそれも頼む。」

    そして、アキラは、というと。彼女はクインケとROC治療の研究を行っている。
    喰種対策法違反に関してはいくつかの司法取引が行われ、捜査官として復職させることも、一般人に戻すことも危険であるという考えのもと、彼女は喰種研究者という地位につけられた。
    当の彼女は気にすることもなく、堂々とラボでの研究生活を楽しんでいる。そして半喰種である俺の身体能力を理由にコーヒーと昼食の調達をしばしば俺に頼んでくるのだ。

    「それじゃぁ、行ってくる。」
    「あぁ。たのむ。」


    俺はCCG、いや、TSCのラボで延命治療を受ける傍ら、ラボのボディガードのようなことをやっている。
    喰種研究者の講演にはトラブルが付きまとうからだ。治療自体も、信じられないくらいに順調で呆れるほどに健康体だ、と博士に太鼓判を押されている。
    おかげで不死身の「元」捜査官とまでいわれるようになった。

    そう。俺はまだ、戦い続けている。
    眼帯とも、什造とも違う、戦場で。
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