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    Dochi_Kochi28

    @Dochi_Kochi28
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    Dochi_Kochi28

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    亜アキ(アモアキ)の話
    想像 re ドナート戦後、アキラさんの元に戻ってきた亜門さんと手当てをするアキラさんのおはなし

    戻った、というや否や、すぐに椅子に座らされ、救急キットをアキラがもってきて。
    そして俺はローブを脱がされ、ぐいぐいと消毒液のついた布で顔をぬぐわれていた。

    「すぐに治るぞ」
    「うるさい。ローブの穴を見れば君の怪我の多さがわかる。治る、と言っても個人差があるだろう。おとなしくしているんだ。」

    そうやって、また、無言でアキラは俺の手当てをする。
    時々そばを通りかかった捜査官がほほえましい顔つきで通り過ぎていくのは、なんともこそばゆい気分だった。
    特に車いすで通りかかった安浦特等は、「あらあら・・・」と言わんばかりの温かいまなざしを向けていた。

    俺は、もう、喰種なのだから、こんなことをしなくても大丈夫なのに。
    というか、これからの戦後処理でアキラの処遇がどうなるのかも心配なのに。お構いなしに、アキラが今度は俺の腕や腹に包帯を巻き終え、「ん」と無言で真新しいシャツをよこす。
    いたたまれない気持ちで俺はそれに腕を通した。

    「飲め。」
    そうしたら、突き出されたのはRC細胞液と活性剤。断ろうとしたら、それすら見透かしたようにもう一度俺の前に突き出した。
    今度は、断らずに、口を付けた。
    少しだけ、右目が引くつく感じがして、赫眼が現れる。けれど、傷口の再生はこうしていたほうが速い。
    「まだ、周りが片付くまで時間がある。君は休んでいろ。」
    「・・・負傷者の救出くらいならできる・・・。それよりもお前が・・・」
    言いかけた俺は、首を掴まれて、そのままアキラの膝の上に頭を預ける格好にさせられた。

    「そんなぼろぼろの体で行っても邪魔になるだけだ。」
    反論すら許さない鋭い目つきとは裏腹に、俺の頭をなでるアキラの手は、やさしかった。

    たぶん、これが正解かは分からなかったが、俺は今、アキラが一番聞きたいと思われる言葉を口にした。

    「今度は、戻ってきただろう?」
    「あぁ。私を一人にしなかっただけ、許してやる。」

    それから、やけに静かになった廊下の長椅子の上で、俺は「膝枕」というやつをされながら横になった状態で、ぽつぽつ、とゆっくりと話していた。こうされて、やっと自分のからだじゅうの節々の痛みが自覚できた。力を入れようにも、もう少し時間がたたないと腕すら上がらないくらいに。

    「・・・泣いたのか?亜門上等。目の周りが、少し赤い。」
    「ああ。少し、な。」
    あの戦いの中で、やっと自分が今まで抱き続けてきたことに気づけた。
    結局俺が生かされ続けた理由は、聞くことは出来なかったが。
    そういえば、昔、熱を出して寝込んだときも、こうやって頭を撫でられながら看病されていたことがあった。

    いろいろなものを吐き出して、胸の中は軽くなった気がした。
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