秋吉榮 設定資料年齢:25歳
身長:178cm
誕生日:12月14日
血液型:O型
・生い立ち
父親は美術商で家はそれなりに裕福。父親はあまり家庭を顧みるタイプではなく、榮自身は結婚を機に専業主婦となった母親と二人で過ごすことが多かった。優しくいろんな所に連れて行ってくれた母親が大好きなお母さんっ子。北欧人である母方の祖母の血を濃く受け継いおり、碧眼と赤毛寄りのストロベリーブロンドを持っている。今でも友人とスポーツやアウトドアに興じることがあるので着衣ではわかりにくいが、日に晒されない部位は祖母譲りの白さがある。
幼い頃から好奇心や知識欲が旺盛で、悪気なく興味本位で何でも触ったり弄ろうとするので目の離せない子供だった。物心が付いてからは特に絵本が大好きで、よく母親に読み聞かせをねだったり図書館に連れて行ってもらったりしていた。
十歳の時に実母を病気で亡くし、喪が明けてからすぐに別の若い女性と再婚した父親に子供ながらに不信感を募らせる。当初義母となった再婚相手とは榮なりに上手くやろうと思っていたものの、体裁や前妻の影を気にした彼女に髪を黒く染めるよう言い付けられたことで反感を覚える。その際義母を諫めてくれることを期待して父親に相談するも、無関心な様子で「彼女に従うように」とだけ言われたことで彼に対する不信感が怒りに変わる。
結果同じ家で暮らしてこそいるものの関係は冷め切っており、会話は最低限で食事も各自で用意して別々に摂るようになる。とはいえ反抗して家を追い出されては生きていけないことは理解しており、言いつけは守り問題を起こさないように過ごしていた。
小学校卒業後は有名な私立の中高一貫校に入学。家にあまり居たくないという理由もあってバスケ部に入部し、程々に文武両道な上に愛想がいいので友人は多かった。顔も整っているので女子にモテていたが、根が真面目で責任感も強いために交際を気軽に考えることが出来ず告白されても断っていた。
高校に進学する頃に義妹が生まれたことをきっかけに両親との溝が深まり、高校卒業後は家を出ることを決意する。勉学重視の進学校ということもあり、内部進学がほぼ確定している(他校を受験する生徒がほとんどいない)中学と違い高校の部活は休みが多かった。親に決められて入った学校であっただけで榮自身は高学歴を目標としているわけでもなかったため、早くも大学受験を視野に勉学に励む周囲との温度差に疎外感を覚えるようになる。表向きは変わらず友人たちと楽しくやっていながらも、やりたいことが決まっていない自分に焦りと虚無感を抱き始める。
かといって授業を終えてすぐに家に帰る気にもなれず、小遣いはそれなりに与えられていたため部活がない日は一人で街をブラブラして時間を潰すようになる。そんな時に清一と知り合い行動を共にすることが増え、彼の紹介でいろんな人と知り合いいろんな文化を知る中で久々に好奇心と知識欲が満たされるのを感じる。
進級してそろそろ進路を決めなければいけない時期に清一から鷲尾の元で働いたらどうかと提案される。鷲尾に対しては冷徹で怖いというイメージが強かった上に非合法な斡旋に抵抗があり悩みはしたものの結局は清一に推薦してもらい、在学中に試験を兼ねた研修を受けた結果無事採用が決まる。
進路については両親も興味がなかったようで特に反対されることもなく、高校卒業後は以前から決めていた通り実家を出て一人暮らしを始める。それから現在に至るまで両親とは連絡も一切取っていない。対して実母の両親とは実母の死後もずっと交流を続けており、定期的に顔を見せたり物を贈ったりしている。父方の祖父母は元から付き合いが希薄だったため、榮の中では父との離別に伴い縁が切れたことになっている。
仕事は斡旋業。主に売春の斡旋をしているが、それ以外にもボディガードや喧嘩屋のような仕事も多く斡旋している。料金は高いがその分品質も高く、アブノーマルだったり危険で違法性のある仕事内容でも適合する人材を見つけて斡旋してくれると評判。その品質を保つため顧客と紹介する人材共に鷲尾が問題ないと判断した人間のみとしており、その判断材料として清一に所属する探偵事務所に身元調査を依頼することが多々ある。鷲尾が部下として雇っているのは榮だけな上に一つ一つの仕事に慎重に対応するためあまり多くの件数を抱えることが出来ないが、それも鷲尾に依頼することへの特別感を引き立てている。
あるゆる分野に関する知識を持っている榮は大抵の雑談に対応可能で、真面目な態度もあって顧客からの評判は概ね良い。一方で気さくな性格で斡旋する人材(主に若い女性)からも信頼されており、相談に乗ったり逆に清一との交際についてアドバイスをもらったりしている。
働き始めてからは気になることにはとりあえず(手軽に叶う範囲で)手を出してみるようになるが、大体は一度体験すると満足してしまう。それでも趣味は多い方で、休日も何もしないのは勿体ないからと何かしら活動している。
・性格、性質
真面目で律儀。結局実家を出るまで言いつけ通りに髪を黒く染めていたし、反抗期であっても問題を起こすことはなかった。その性格故に「場の空気を悪くしてはいけない」と多少無理して周りに合わせてしまうこともあり、友人が多く人付き合いも嫌いではないが一人で何かに没頭している方が気が楽なことも多い。
ただ、真面目なのは自分の中の正義感や道徳に対してであり、違法な内容を含む己の仕事に関しても「顧客と人材双方の同意の上で成り立っている(強制や脅迫は一切ない)から」と榮の中では折り合いがついている。
一方で実母を亡くしてから誰に頼ればいいかわからず(祖父母に対しては心配をかけないために気丈に振る舞っていた)、手を引いてくれる誰かを求めている部分がある。そういう意味では自由奔放で自分を振り回す清一と相性は良い。
・恋愛観
恋愛に対しても真面目で、一生添い遂げてもいいと思える相手としか交際するつもりはない。裏を返せば相手にもそれを求めており、実母の死後すぐに再婚した父親に対する嫌悪感から自分は真摯でいたいという思いがある。
しかし惚れた相手が関わると判断力が著しく落ちてしまう部分もあり、惚れたのが清一でなく悪意ある人間だったら騙され利用されかねなかったという危うさも持っている。
面倒見の良さもあって若い女性から特にモテるし告白されたり夜の誘いをかけられることもあるが、惚れた相手以外には冷静に対応できるのでやんわり断っている。
・清一との馴れ初めと印象
高校生になって街をぶらつくようになった時に声をかけてきたのが清一だった。ナンパのように「今一人?」「暇なら一緒にご飯行こうよ」と付きまとってくる清一に対して最初は警戒心しか抱いていなかったが、あまりのしつこさに根負けしてファミレスに連れられ食事に付き合う。そこで話す内に、彼なりに制服を着たまま街をうろついている自分を心配して声をかけてくれたことを知る。
その後も榮を見かける度に声をかけて強引に一緒に行動しようとする清一に表向きは迷惑がりながらも次第に心を開いていく。
清一への恋心を自覚したのは彼から鷲尾の客の相手をしていると聞かされた時。実際は顧客の雑談相手をしていただけなのを清一も売春させられているのでは、と勘違いし思い悩む中で清一が好きなことを自覚する。
そこから悩みに悩んでプロポーズするぐらいの覚悟で「一緒に逃げよう」と提案するが、そこで勘違いを知った清一に笑われてしまい榮の初めての告白は“優しい友人からの心配”と思われただけで終わった。それでも心配してくれたことに感謝する清一を嫌いになれずに友人として付き合い続けるが、清一や共通の知人の口から彼の恋人の話が出る度に内心落ち込んでいた。
そんな折に清一が恋愛においては来る者拒まず去る者追わずというスタンスだと知って、酔った勢いで「じゃあ俺とも付き合ってくれよ」と告白したところあっさり了承されて逆に自分が驚くことになる。
榮自身は無自覚だが精神的に不安定だった時期に最初に声をかけてくれた清一を雛鳥の刷り込みのように慕い始めた部分がある。それが高じて今でも信仰に近い感情も抱いており、彼の自由な振る舞いに文句を言うことはありながらも逆らうという考えはない。