没原稿バールベリトは苛立ちながら廊下を歩いていた。ここはフライナイツが拠点として使用している施設で、幻獣や兵器の開発をメインで担当しているものが常駐している。イレイザーである実行部隊はたまに立ち寄る程度であったが、エウリノームやバールベリトは計画の進捗度合いを確認しに立ち寄ったり、そこで他のイレイザーからの報告をまとめて受け取ることも多かった。彼が苛立っていたのは、その後者に関係していた。
到着するなり、一通り見て回ろうかというバールベリトの提案を無視し、エウリノームは新しい兵器に関する報告を聞きにどこかへ言ってしまった。元々エウリノームのアイデアで始まったものだからだろう。
自分のやりたいことを優先するエウリノームの代わりに、自分たちが不在の際に起きた出来事を把握しておくのはバールベリトの役割だ。自分も新しい兵器を見に行きたかったが、もしトラブルの芽があったら先に摘んでおきたかった。エウリノームの耳に先に入ったら面倒なことになる。ここのメギドたちは何をやっていたのかと詰められ、そしてなぜかついでにバールベリトがそれらの解決を任されるのだ。
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