部屋は暗闇が支配していて、その中央にウツシが佇んでいる。天井から鉄蟲糸が垂れ下がっていて淡く光っている。それが彼の手に結びついている。ちょうど万歳にした状態で拘束されている状態だ。だが、足は胡坐をかいていて、目の前にいる少女を興奮した様子で見つめていた。
「っ愛弟子……」
「そんな急いだらダメですよ、悪い子ですね」
「でも……」
「ちゃんと待てができたら、ご褒美あげますから」
くすくすと笑って、少女はウツシの頬を撫でると少しだけ男から距離を取る。普段の生命力あふれる彼女は鳴りを潜め、妖艶な顔で一枚衣服をはぎ取った。
それを興奮した様子でウツシは見つめる。
最初に始めたのはどちらだったか。
彼女がそうやってウツシを喜ばせるものだから、少女なしでは満足できなくなってしまった。
次は何をしてくれるのだろうという興奮が彼の中で渦巻いて、熱を吐き出すように大きく息をついた。
「は、ぁ……」
「もう興奮しちゃました?」
「うん……」
そっと又坐に手を這わされて、びくりと身体が震える。素直に頷けば「いい子」と頭を撫でられた。
「まなでし……」
「だーめ、ちゃんと服を脱いでからです」
そう言って、少女はまた一枚服を脱ぐ。薄い布地は彼女の身体のラインがはっきりでて、すぐにでも貪りつくしたいほどだ。
けれど、彼女はまだだと呟く。
「教官はいい子だから『マテ』はちゃんとできますよね」
「うん」
「じゃあ、我慢しないと」
顎を撫でられて、ウツシは我慢の限界だ。それだというのに、まだダメだと言う。けれど、すっかり少女に調教されたウツシはそれすらも興奮になってしまう。
「っ、愛弟子……早く」
「ふふ、大丈夫ですよ
せかさなくてもちゃーんと最後までしてあげます」
「あぁ……」
今日はどうやらすべて彼女がやってくれるらしい。ウツシは嬉しそうに笑って少女を見る。
とろりと蜂蜜のように蕩けた瞳が、彼女を捉え彼女もまた、ウツシを見て笑った。
「夜はこれからなんですよ
だから、いーっぱい好きな事してあげます」
少女から女性に近づいている彼女は、興奮気味に呟く。ウツシの好きなところを、すべて知っているからこその言葉だろう。だからウツシも頷いて彼女に身をゆだねる。
快楽の海はすぐそこだ。