リヴァエル夏。没。嵐と共に部屋にやってくるリヴァイのリヴァエル。
ごうごうと激しい風が吹き、強い雨音が窓を打ち鳴らしていた。
現在、午前2時。
エルヴィンは暗い自室で映画のエンディングを眺めながらウィスキーの入ったグラスに唇を付けて飲み干す。カラン、と溶けて小さくなった氷が小さく音を立て、熱い酔った吐息が漏れた。
良い、映画だった。嵐の音も含めて。
今年一番の夏の嵐が近づいていた。数時間前、深夜までオフィスで仕事をしていたエルヴィンは暴風雨のおかげでビショビショになって帰宅した。シャワーを浴びて髪を拭くと、ふとそういえば見たい映画があったのを思い出す。仕事の疲れはあったし寝てしまっても良かったが、その映画は今日の様な嵐の日に合うのではないかと思えば、眠気は飛んでいた。簡単な夜食とウィスキーを用意して、映画の配信サービスサイトからタイトルを探す。短いダウンロードの後に映画はすぐに始まった。
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