いじわるしないで、先輩。「ごめ、ごめんなさ、ああッ!!ごめんなさい!ごめんなさい!!!!何でもしますからぁぁぁ!!!!!!!!」
ミヤビの泣き叫ぶ声が部屋に響いた。
シンッ……と静まり返り、数秒後に「はい、カットー!お疲れ様です!」の声。
ミヤビはふぅ、と息をつき涙を拭う。
「…………ぁい、お疲れ様です……」
正直、今回の撮影は精神的に疲れた。今日の撮影だけで何回涙を流し、何回喉を狭め叫んだだろう。
もう後半になるにつれて若干意識も朦朧としていた。早く家に帰りたい。ハルカに抱き締めてもらいたい。
楽屋に向かおうとふらふらと歩を進めていると、目の前に酷く目つきの悪い男が見えた。
「………………エルケ先輩!」
ぱああっとまるで花が咲いたかのような笑顔を見せ駆け寄るミヤビ。エルケはそんな彼に「はい、お疲れ様」と労いの言葉をかけ頭をぽんぽんと撫でる。
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