今日の追いかけっこの結末は走る先に雷電の姿を見付けた始皇帝は、好!と叫んで地を蹴る。
「朕を乗せる事を許す!さぁ、疾く走れ!!佐々木と切り裂きのも連れて行くぞ!」
ぴょんっ!と身軽に肩車をしてきた始皇帝は少し先を走る小次郎達の背中を指差し雷電に命令する。
そんな始皇帝に慣れたのか、雷電は
「おめったいのぉ」
と頭を掻くと走り出した。
何だかんだと、雷電も騒がしいのは嫌いじゃない。
始皇帝はともかく、神々からの執拗な求愛と執着に追われている小次郎とジャックには少し思うところもある。
「おわっ?!」
「oops?!」
短い声を上げる小次郎とジャックの身体が浮く。
「舌を噛むなよ」
雷電が小次郎とジャックを小脇に抱え、グッと踏み込めばそれなりの速度となり肩の上で始皇帝が楽しそうに笑った。
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