アトリエ。何故か説明もなく引っ張ってこられた五ェ門ちゃん。「その辺りに座っていればよい」
ハア……って態度の五ェ門ちゃん。けどまあ、一応座る。敵意は感じないけれど。なんなの?
「愛想のない使用人だな」珍しい、って。じっと見られる。なんなんだ。不躾。
「何のために、こんなところへ」「儂は絵を描いている」
五ェ門ちゃんより話が通じないタイプ。首傾げようとしたら「動くな」って怒られて。
「右手を少し左へ。左手も重ねて……いや、違う。足を肩幅に……違う。立て。座るな。足を開いたままその場に立て。」
謎の迫力があるのでそのまま従っちゃうごえちゃ。「タイが似合わんな」とかぶつくさ言ってる。「……絵の、モデルか?」「報酬は払ってやる。日雇いの下働きよりはよほど良い給料だ」「……遠慮する。生憎、某には別にやらねばならん事があるのだ。ここに留まっている時間はない」
2013