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    こなもち

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    こなもち

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    画家の屋敷に潜入したら絵のモデルに選ばれちゃう五ェ門ちゃんの話のプロットだよ ブン投げる
    オリジナルキャラがはちゃめちゃ出張っている 注意

    アトリエ。何故か説明もなく引っ張ってこられた五ェ門ちゃん。「その辺りに座っていればよい」
    ハア……って態度の五ェ門ちゃん。けどまあ、一応座る。敵意は感じないけれど。なんなの?
    「愛想のない使用人だな」珍しい、って。じっと見られる。なんなんだ。不躾。
    「何のために、こんなところへ」「儂は絵を描いている」
    五ェ門ちゃんより話が通じないタイプ。首傾げようとしたら「動くな」って怒られて。
    「右手を少し左へ。左手も重ねて……いや、違う。足を肩幅に……違う。立て。座るな。足を開いたままその場に立て。」
    謎の迫力があるのでそのまま従っちゃうごえちゃ。「タイが似合わんな」とかぶつくさ言ってる。「……絵の、モデルか?」「報酬は払ってやる。日雇いの下働きよりはよほど良い給料だ」「……遠慮する。生憎、某には別にやらねばならん事があるのだ。ここに留まっている時間はない」
    「何が目的だ」
     一瞬冷や汗が浮く。なにも。そう答えるけれど、老人はどうもそういうことを求めている訳ではない。らしい。
    「どうすればいい」
     いくつも皺の寄った顔の、両の瞳がじいとこちらを捉えている。呆け老人の顔ではない。信念と思いを持った者の顔。
     リンリンリン、と内ポケットの携帯が鳴る。次元大介。出る。
    『あ!お前今どこだ。突然消えやがって、』
    「次元。某の仕事を代わってくれ」
    『あ!?』
    「内容は知っているだろう。頼んだぞ」
    『な、ちょ、待て!おい!』
     ピッ。ふい、と振り向いて、ぎいこと椅子を鳴らして腰掛ける。態度は随分悪かった。
    「……それで。どの程度、時間がかかる」
    「…さあな。まあ、付き合え。年寄りの冷やかしだ」

    夕方くらい。がちゃん。バタン。どたどた音を鳴らして入ってくる次元ちゃん。
    お、って出迎える五ェ門ちゃん。
    「遅い!なんだってんなとこいるんだ!」
    「人のアトリエに勝手に入ってくるな!」
    「!?」
     爺ちゃんの方向く次元ちゃん。じと目。
    「……爺さん。悪いが、こっちにだって色々と都合があるんだ。アンタの相手をしてやる時間はねえんだよ」
    「そっちの男は了承したぞ」
     ハ?って五ェ門ちゃんの方向く。そうだ、って軽く視線で頷く。怒鳴る次元ちゃん。
    「おいお前なんだってそんな馬鹿な、」
    「アトリエで騒ぐなら出て行け!!」
     びりびり。馬鹿デカ声。
    「ここは儂の部屋だ」
     筆を取る爺さん。あんまりヒステリックで話が通じないからまた次元ちゃん難癖つけようとするんだけど、五ェ門ちゃんが無言ですっと次元ちゃんを押しとどめる。そのままくるっと帰ろうとするから、次元ちゃんおい、って追いかけようとして。
    「待て」
    「……なんだよ、爺さん」
    「お前ではない。そっちの若いほうだ」
     人を指差す。五は黙って指さされてる。
    「明日も来い。10時だ。」
    「あ!?」
    「……某にも、仕事があるのだが」
    「では時間のある時に来い。必ずだ。何もしなくていいのだから、休憩か何かと思えばいい」
    「あのなあ爺さん……」
    「次元。」
     声と、視線だけで制止させられる。行くぞと黙って扉に向かった侍の姿に、口を潰しながら追っていくことしかできない。
     老人は、一度もこちらのことを振り返らなかった。

    「……おい。五ェ門。」
    「何だ」
    「なんだじゃねえよなんだじゃ。お前、なんのつもりだ」
     庭の土がざくざく音を立てている。すっかり日暮れだった。街灯が白い。
     五ェ門は答えに困っている。何であんな奴にほいほいついていってるんだよ、と問い直した。
    「知り合いなのか?」
     ふるふる、と五ェ門が首を横に振る。
    「なら何でぜーんぶすっぽかしてあんなとこにいたんだよ。物事には優先順位ってもんがあるだろうが」
     仕事だってある。計画だってある。けして見ず知らずのジジイにそう長いこと付き合ってやれる時間がある程、俺たちは暇ではない。
     なのにこの男はあろうことか自分からモデル業務を引き受けたという。五ェ門は一人で考え込んでいた。
    「次元。」
    「あ?」
    「明日も某の仕事を代わってはくれんか」
    「ハア!?」
    「庭番までは頼まん。ルパンに頼まれた、仕事の下調べの分だけでいい。お主なら二つともこなせるだろう」
     瞳が、じいとこちらを見つめてきている。意志の籠った、信頼の瞳だった。
    「頼めるか?」
     甘えたように、表情が小さく自信のなさを転がす。大きく、大きく溜息を吐いた。
    「………なんでだよ。」
    「?」
    「なんで、あの爺さんをそんなに買ってやがるんだ。それを言ったら、考えてやる」
    「……」
     五ェ門はじっと、考え込んでいた。言葉を探すように、ふいと視線を揺らがせる。
     自分にはわからないところを、五ェ門はただ、じいと見つめていた。

    「……悪い者ではない。そう、感じただけだ」


    「それで次元ちゃんは本日も疲労困憊であると」
    「うるせえ……」

    つづく
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