青岩 灼熱。そんな文字が頭を掠めて、ぼんやりと窓の下を見下ろした。冷房を効かせているものの陽の高い時刻の窓際は熱く、桟に触れるのも避けたかった。
深緑に染まる樹々、強い光を浴びて鮮やかに咲く花の眩しさ、風を切って飛ぶ虫の姿。そうした夏の明るさは好ましくても、尋常でないこの暑さは得意ではなかった。
岩手の自室に着いたとき、青森は汗だくだった。
「ちょっと待ってて」
そう言ってどこかに飛んだ岩手がソフトクリームを両手に自室に戻ってくる。片方を青森に押しつけながら、
「買ってきた。美味しいよ」
聞けば離れた沿岸の市町村に最近できたメニューだと言う。青森は手に収まったそれと、微笑みかける岩手を見やってからマスクをずり下ろす。
「風情のないやつだ」
「暑い日にはいいでしょ? あれ、もしかしてお腹の調子よくなかった……?」
見当違いの言葉を無視してソフトクリームを舌に乗せる。
「いっしょに行こう、くらい提案してみろ」
私は氷菓をねだりにきたわけではない。
岩手は不思議そうに首を傾げた。
7/3はソフトクリームの日らしいですよ/「岩手に会いにきてる」青さん。デートにしろやの意もある。