ふわふわ、ゆめごごちああ、やっぱりこの時が一番休まるなあ。
お風呂上がりで髪を乾かした愛弟子の頭に顔を埋めて、すう、と息を吸ってみる。あの子の匂いと石鹸の匂い。それと、ほかほかとした暖気が鼻腔をくすぐった。
愛弟子のすっかり乾かされた髪はふわふわで、綿入れのように柔らかかった。
ふわふわの髪に温かい香り、日に干した布団に顔を埋めたようで、俺はこの瞬間をいたく気に入っていた。
「あの、教官。そろそろ…」
後ろから抱きすくめられ顔を埋められた愛弟子は困惑した声を出した。
「もう少しだけ、だめかな」
きみとこうしてる時が、1番心安らぐんだ。
そう言うと、従順で優しい愛弟子は、黙って身を預けてくれた。
いつかの日に、あの子の優しさに甘えすぎないようにね、とアヤメさんは言った。どうやら俺の愛弟子への愛情表現は、やり過ぎに見えるらしい。
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