「愛情不足、力不足」タシャ 福祉チーム補佐 入社3日目にして中層部へ異動、1週間以内にAleph武器の所持となった職員である。スピード出世といったところか、オフィサーには指差しされた事もある。優秀な人材は確かにいる、タシャ自身ギフトは貰えていなかった。然し、福祉チームへの異動は、同時期に福祉チームへ異動になった飛鳥の指名からだ。
「先輩、30番と71番の注射、68番の点滴、16番と42番の安静を確認。それに伴った書類作成も一通り、済ませました。」
「タシャさん、助かるよ。81番、49番の容態も安静、他職員も既にベッドで休んでいるよ。……4番と6番の状態は?」
「はい、それは“家族”が確認してます。」
「そっか。」
タシャは天涯孤独だった。気まぐれで生かされた掃除屋に育てられた子供なのだ。それぞれが闇を抱えている。それが知ったら気が狂うかもしれない。否、既に狂っているのだろう。タシャに家族はいない。しかし、彼女にとっては大切な家族的存在なのだ。
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