初書き🐮丸さん〜ちびゾを添えて〜おでんの訃報を半ば呆然と聞いていた牛丸は、ぐしゃりと矢文を握りしめた。なんとしてでも、今、この悪辣非道なオロチとカイドウを殺さなければならない。このまま何もせず生きていくことは、武士として死ぬことと同義である。頭はキンと冷え、湧き出る殺意だけが牛丸を支配していた。
「…………馬を出せ」
腹心へ言う。彼は何か言いたそうにしたのち、
「御意」
と厩へ走っていった。
鈴後の城下町を眺める。ずいぶんと煙突が立ち、もくもくと薄汚い煙を吐き出している。それらを睨みつけ、腰の刀に手をやった。
「ぅしまゅ?」
背後から聞こえた幼い声に、ハッと肩を揺らした。愛しい幼子が、最近覚えたばかりの掴まり立ちをしてこちらを見ている。
「うしぁるー!」
1963