夜食の会で会いましょう(うどん偏)深夜。賑やかだった本丸はひっそりと息を潜める。
その一つの部屋で、ひとつ。
ぐぅうう。
腹の虫が鳴く音がした。
「……寝れません…」
布団のなかで五月雨江は小さく呟いた。
本丸に顕現されで幾日か経ち、この肉体にもだいぶ慣れたと思ったが。まさかこんなことで目が覚めるとは。人間の身体というのはなかなか不便だ。
だが寝る前に歯を磨いてしまったので、何か食べ物を口に入れるのも躊躇ってしまう。それに燭台切が亥の刻を過ぎてからは、食べてはいけないと言っていた。
明日は出陣の予定があるから、なんとかして寝てしまわないといけないのだが。
「…仕方ない」
水でも飲みに行こう。そうしたら幾分かマシになるかもしれない。
隣の部屋の仲間を起こさないように、そっと襖を開けて廊下に出ると少しだけ冷たい風が頬を撫でる。
3727