触れたかった故の黒「久しいな、小僧」
虎「伏黒っ」
大切な友の身体に受肉してしまった。
その絶望の中黒宿儺は虎杖の手を取る。
虎「」
黒「あぁ、やっとだ…」
グンッと引かれたかと思えば黒宿儺は虎杖を抱きしめ歓喜する。
黒「やっとお前を生身で感じられる」
虎「え…」
黒「生得領域では所詮は精神の世界。いくら抱こうとも生身とは訳が違う。お前も嬉しいだろう」
虎「…」フルフル
黒「…」
虎「俺は大切な人を犠牲にして幸せになりたいなんて想わないっ…」
虎杖は泣きながら言う。
黒「…」
虎「なんでこんなこと…」
ポロポロと琥珀色の瞳からは涙が止まらない。
黒「何故だ…」
_お前に触れたいから俺はこうして現れたのに何故お前は喜ばん…
虎「っ…伏黒…」
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