【君の心を聴かせて】
「⋯⋯ねぇアスラン。なにか僕に隠し事してない?」
「⋯⋯なんの事だ?」
たまたまミレニアムに用事が出来て着艦許可を貰い、メイリンと共にやって来たのは数刻前。
機体調整をしていたキラがようやく終わったのか執務室に戻って来た。
「⋯⋯なんで今日ミレニアムに来たの?」
「来たらダメだったのか?」
「ダメじゃないけど、何でかなって⋯⋯」
アスランは何か勘づいているキラの顔を見て、はぁーと息を吐く。
「何となく分かっているんじゃないのか?」
「⋯⋯」
「キィーラ」
「⋯⋯ごめん⋯⋯」
素直に謝って来たキラを無言で抱き締める。
「⋯⋯本当に、お前は」
何度言ってもキラは無理をする事を止めない。本人は無理をしているつもりは無いのかもしれないが、目の下に出来た隈を見れば身体に不調を来たしているのは分かる。
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