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    botabota_mocchi

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    キスしてるだけの付き合ってるラハ光♀

    ##ラハ光

    リボンの首輪、レースの手錠拷問だ。
    「キスしましょう、キスしたいです、ラハくん」
    可愛い彼女が最高に可愛い顔でキスをねだってくる。ベッドの上で。一切それ以上の下心なく。こちらを信じ切った顔で……。
    これが拷問でなければなんだというのだ。
    そもそも男女のお付き合い以前に友達付き合いにすら疎かったこの英雄は、それはそれは知識欲と好奇心に満ちた生き物である。異様なまでに物覚えがよく器用なものだから教えたことはすぐに吸収する。ラハが器用貧乏ならば、この人は器用大富豪だと思う。――その器用すぎる人に、恋人同士の触れ合いとしてキスを教えたのは他でもないラハだが、まさかここまで“ハマる”とは。バードキスにポカンとしていた頃が懐かしいほどに、えっぐいディープキスが上達してしまっていた。えっちなことなんか何も知りませんって顔してるくせに……――まあその、流石に彼女も成人女性なので、性的な知識がちっともないということはないわけだが。閑話休題。
    そんなわけで、ハグもキスもイチャイチャもご機嫌に大好きなオレの英雄が出来上がってしまったわけである。
    小さな鼻がこちらを窺うように擦り寄せられる。かちあった視線はゆるりとまぶたに隠れて、ぺろりと唇を舌が這った。拒むなんて選択肢はラハにはなかった。
    薄く口を開けば小さな舌が嬉しそうに侵入してくる。こちらの顔にのばされた手は頬を撫で、髪の毛を掬って側頭部を撫でていき、やがてゆっくりとラハの耳までたどり着いた。ふわふわと感触を楽しんでいるようでもあり、ラハの心地よい撫で方を確認しているようでもある。まどろむように瞼を閉じると、口蓋を舐められる感触に肩が跳ねた。ちゅ、ちゅう、なんて幼気な音とは裏腹に、お互いの唾液は混ざり合ってひとつになっていく。ぞわりと背筋は快感に震えた。舌の表面をねぶりあって、粘膜の擦れる感触に頬が火照る。一瞬の隙に息継ぎをすると呼吸ごと攫われる。本当に――まったく――成長著しいなんて次元では、ない。ちゅう、と舌を吸われて開放されたころには、呼吸の上がっている自分が情けなくてならない。
    この人と恋人同士になって、体を寄せ合って抱きしめた時なんか、それだけで精一杯だったのに。現金な心は貪欲に先を求めて、唇を合わせるところまできた。だけれども、それでも、誓って、ラハはこの憧れの英雄に対して劣情を抱いてはいなかったし、そこにはただ穏やかで温かな愛情だけがあって、そうしてプラトニックな関係が続いていくものと思っていたのだ。本当に! ちょっとした好奇心とちょっとした好奇心の衝突事故で、どうしてラハだけが腹の奥にわだかまる熱を持て余しているというのか――。
    生々しい唾液の糸が目に毒だ。肩で息をしながら、ラハは頬を撫でる小さな手の持ち主を上目に見た。まろい頬をうすく赤に染めて、満足げに笑っている。

    「ラハくんがとってもかわいい顔するから、これ、すきなんです」

    ……拷問だ!
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