ラザハンの繁華街は、見るもの全てが息を呑むほどの鮮やかさと活気に満ちていた。踊り子たちの鮮烈な衣装の色彩、柔らかな布の艶めかしさ、そして街角で繰り広げられる官能的なダンス。これら全てがカルヴィンとウリエンジェの視覚を刺激し、心を揺さぶった。
「君のために何か買おうか？」カルヴィンはウリエンジェにむかって静かに声をかけた。深緑色の目がラザハンの市場に並ぶ品々を眺めている。
ウリエンジェは一瞬、思案した顔をした後、穏やかに微笑んだ。「私自身、何か特別なものを求めているわけではないのですが…」彼は続けた。「しかし、貴方が何か選んでくださるなら、それが何であれ喜びますよ。」
カルヴィンは頷き、軽やかなステップで市場に足を運んだ。彼の目に映るもの全てが新鮮で、色彩豊かなラザハンの世界。彼はこの国に暫く滞在することにし、ウリエンジェと一緒に新たな経験を積むことを心から楽しみにしていた。

サベネアン衣装はウリエンジェにぴったりとフィットしており、彼の高く引き締まった体躯を更に際立たせるものとなっていた。その透ける布は彼の肌に軽く触れ、彼のシルエットを柔らかく包み込んでいた。特に、薄金色の目の上には透明なマスクが施され、その謎めいた魅力がウリエンジェの表情を一層魅力的にしていた。
「これは…私が着せていただいても、良かったのでしょうか？」ウリエンジェは、カルヴィンに照れくさい笑顔で尋ねた。
カルヴィンは目をキラキラと輝かせながら応えた。「勿論。とても良く似合っているよ、ウリエンジェ。」
ウリエンジェは感謝の気持ちを口にすることなく、小さく頷いた。彼は、市場の中央に設けられたステージで踊り子たちが踊るのを見ながら、自らも軽くステップを踏んでみた。しかし、彼の動きはどこかぎこちなく、自身の不器用さに苦笑いを浮かべた。
「ダンスは…私の得意分野ではないようです。」ウリエンジェは笑って認めた。
カルヴィンは、ウリエンジェの試みるダンスに心から微笑んだ。「それでも、君が踊っている姿を見るのは楽しいよ。」
二人はその後も、ラザハンの市場を楽しみながら、互いの存在を心から感謝し続けた。

ラザハンの夜は静謐であり、月明かりが街を美しく照らし出す。特にウリエンジェの姿は、その月明かりによって鮮やかに照らし出され、彼の魅力を一層引き立てていた。彼の着ているサベネアン衣装は、微かな光を放ち、彼の存在感を一層増していた。
カルヴィンは彼を見つめ、心からの感嘆の言葉を口にした。「君は、この月明かりの下で本当に美しいよ。それは、何ものにも換えがたい芸術だ。」
ウリエンジェは彼の言葉に一瞬戸惑ったものの、カルヴィンのまっすぐな眼差しと、その言葉に込められた純粋な感情に、温かい満足感を覚えた。
だが、彼の中にはほんのりとした落胆の感情もあった。カルヴィンが彼を愛でるその眼差しの中には、心を揺さぶるような欲望は見られなかったからだ。それでも、彼はその純粋さがカルヴィンらしいところであり、それを受け入れることができた。心から愛する彼の前で、自分自身を見つめてくれている。それが彼にとって何よりも満足感を与えてくれる瞬間であった。

月明かりが部屋を柔らかく照らす中、ウリエンジェは積極的にカルヴィンの隣へと近づいた。彼の優雅な指がカルヴィンの頬を撫で、繊細なマスクの隙間から唇を近づけた。薄暗い部屋の中、二人の息がかき乱され、その瞬間、マスクを介したキスが交わされた。
ウリエンジェの透き通るような布の衣装は、彼の滑らかな肌と一体となり、その感触がカルヴィンの指先を誘惑していた。カルヴィンはゆっくりとウリエンジェの腕を撫で上げ、その温もりを確かめるように感じていた。
しかし、カルヴィンは衣装を脱がせるという行為には踏み込めなかった。彼の目には純粋な興奮や愛情があふれていたが、それは物欲しさの欲望とは異なるものであった。
ウリエンジェはカルヴィンの反応を感じ取り、少し残念そうに息を吐いた。しかし、その後すぐに彼の瞳には優しさと理解が宿った。「貴方はいつも私を特別な存在として見てくれている。」とウリエンジェは心の中で呟いた。
この夜も、二人は身体の接触や深い絆を通じて、お互いの愛を確かめ合った。