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    Shrimp_Syako

    @shrimp_syako

    ニャーン

    手をつけるのに時間が空きそうなラフ、特殊嗜好の絵、掌編小説とかをぽいぽいします
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    Shrimp_Syako

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    創作NH(安竜)

    🐛さんの「打楽器は!?」を受けて書いたごく短いの
    合唱祭のピアノを任された安竜くんと何者かです。よう考えたら夢小説なのかなこりは

    ##二次オリ

    「打楽器ですか」
     椅子の埃を手で払い、グランドピアノにかけられたあの布を取り去りと、忙しく動いている安竜は、振り向かないままに応えてくる。「打楽器っていうと、あれですよね。ティンパニ、ドラムとか、そういうの」ちょうどそこにあるみたいな。かれが指した黒い扉の向こうには、たしかに軽音楽部の使っている楽器がしまってある。
    「おれは繊細な神経をしていないもので、あれの音の違いとか良し悪しがわからないというか、はっきり申し上げてあまり興味がないんですよね。思えば習ったことがありません」
     安竜は座り、楽譜の冊子を手に取った。合唱の課題曲のところで指を止め、折り曲げて思いきり癖づけて、めいっぱいに開いて譜面台へ。
    「実家の蔵に太鼓がありまして、幼少の頃に叩いて遊んだ程度は……当時は撥も持てませんでしたけれど」
     まあそれは、経験があるとはいえませんか。
     指先が軽く鍵盤をはたく。
     その目は譜面をちらとも見てはいなくて、当然にメロディはだんだん外れていく。聞いたことがあるようなフレーズと知らない音が入り混じる、すべてを強引につなぎ合わされたようなそれは、たぶん即興の演奏だった。「あは」楽しくなってきたらしい。「ふん、ふん、ふふふ……」調子外れの鼻歌交じりで、時に鍵盤から指をとり落としながら、まるで初めて触った子供のような表情で弾く。
    「ピアノの稽古をやめたのは三年前です。ちょっとは心配だったんですが、どうにかなるものですね」
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    創作部部誌班

    PASTタイトル:過去作品まとめ
    作者:智紫国基
    テーマ:魔法/宇宙
    過去二年分の部誌に掲載した小説です。あえて加筆修正をせずそのままの文章を使用しています。こうして改めて並べると、文章の書き方の変化やその時に影響を受けていたものがよくわかりますね…笑
    過去作品まとめ
    智紫国基

    ・魔法存在論議 ──── 二〇一八部誌 テーマ「魔法」
    ・星降る夜に ──── 二〇一九部誌 テーマ「宇宙」



    ─・─・─・─・─・─・─・─・─・─



    二〇一八 ──── 魔法存在論議



               魔法というものは果たして、
               この世に存在するのだろうか。



     そのような事を本気で議論しようとするのであれば、誠に不本意ながら少々学の足りない人間であると思われるかもしれない。それくらいは流石の僕とて、理解している。
    しかし、誰にだって、魔法が使えれば、と思う瞬間はあるだろう。



              そう。例えば、今の僕のように。





     僕は、中学生。今日の日付は、八月三十一日。これで、大体の方には何故僕が魔法を渇望しているか、察して頂けただろうと思う。
     …そう、全くもってその通り。僕の机の上には、未だ手付かずの問題集が積み上げられている。
     大体、今は「夏季休暇」期間ではないのか。休暇であるはずなのに、何故課題なるものが存在するのか。…などという事を今更嘆いても意味はなく。魔法が使えないのであれば、 6397