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    Shrimp_Syako

    @shrimp_syako

    ニャーン

    手をつけるのに時間が空きそうなラフ、特殊嗜好の絵、掌編小説とかをぽいぽいします
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    創作NH(安竜)

    🐛さんの「打楽器は!?」を受けて書いたごく短いの
    合唱祭のピアノを任された安竜くんと何者かです。よう考えたら夢小説なのかなこりは

    ##二次オリ

    「打楽器ですか」
     椅子の埃を手で払い、グランドピアノにかけられたあの布を取り去りと、忙しく動いている安竜は、振り向かないままに応えてくる。「打楽器っていうと、あれですよね。ティンパニ、ドラムとか、そういうの」ちょうどそこにあるみたいな。かれが指した黒い扉の向こうには、たしかに軽音楽部の使っている楽器がしまってある。
    「おれは繊細な神経をしていないもので、あれの音の違いとか良し悪しがわからないというか、はっきり申し上げてあまり興味がないんですよね。思えば習ったことがありません」
     安竜は座り、楽譜の冊子を手に取った。合唱の課題曲のところで指を止め、折り曲げて思いきり癖づけて、めいっぱいに開いて譜面台へ。
    「実家の蔵に太鼓がありまして、幼少の頃に叩いて遊んだ程度は……当時は撥も持てませんでしたけれど」
     まあそれは、経験があるとはいえませんか。
     指先が軽く鍵盤をはたく。
     その目は譜面をちらとも見てはいなくて、当然にメロディはだんだん外れていく。聞いたことがあるようなフレーズと知らない音が入り混じる、すべてを強引につなぎ合わされたようなそれは、たぶん即興の演奏だった。「あは」楽しくなってきたらしい。「ふん、ふん、ふふふ……」調子外れの鼻歌交じりで、時に鍵盤から指をとり落としながら、まるで初めて触った子供のような表情で弾く。
    「ピアノの稽古をやめたのは三年前です。ちょっとは心配だったんですが、どうにかなるものですね」
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    原作終了後だけど、関係性はプラトニックでも一線超えてても、どちらでも可。

    香ちゃんが編むマフラーにソワソワする裏世界ナンバーワンの男😂
    ある日、散歩から帰ってくると、香がリビングで編み物をしていた。平面で長方形の形をしたそれは、マフラーに見えた。

     香は、手芸が得意だ。俺を模したマスコットやストレス解消用の人形なんかも作っている。服やズボンに穴が開いたとしても、縫って修理をしては使い続けている。そういや槇村も、穴の開いた靴下を繕って履いていたっけな……。いくら俺が「貧乏くさいから止めろ」と言っても、「直せばまだ履ける」と、頑なに言って聞かなかった。兄妹揃って、ものを大切に使うと言うことは、身に染み付いているらしい。

     そんな香のことだから、別にマフラーを編んでいても驚くことはないのだが、問題はその色とサイズだ。太めの毛糸でザクザクと編まれたマフラーは、やや幅が広い。しかも、色が鶯色と来たもんだ。……これ、どう見ても男物のマフラーだろ。
     だが、残念なことに俺はマフラーを使わない。首の辺りがチクチクするから嫌いなんだ。一体お前は、誰にマフラーを編んでいるんだ……?
    「あ。おかえり」
     香が手元から顔を上げて、俺に声をかけた。今、俺に気づいたわけでもねぇのに、わざとらしく言うところが何とも腹立たしい。
    「……おぅ」
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