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    Shrimp_Syako

    @shrimp_syako

    ニャーン

    手をつけるのに時間が空きそうなラフ、特殊嗜好の絵、掌編小説とかをぽいぽいします
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    Shrimp_Syako

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    創作NH(安竜)

    🐛さんの「打楽器は!?」を受けて書いたごく短いの
    合唱祭のピアノを任された安竜くんと何者かです。よう考えたら夢小説なのかなこりは

    ##二次オリ

    「打楽器ですか」
     椅子の埃を手で払い、グランドピアノにかけられたあの布を取り去りと、忙しく動いている安竜は、振り向かないままに応えてくる。「打楽器っていうと、あれですよね。ティンパニ、ドラムとか、そういうの」ちょうどそこにあるみたいな。かれが指した黒い扉の向こうには、たしかに軽音楽部の使っている楽器がしまってある。
    「おれは繊細な神経をしていないもので、あれの音の違いとか良し悪しがわからないというか、はっきり申し上げてあまり興味がないんですよね。思えば習ったことがありません」
     安竜は座り、楽譜の冊子を手に取った。合唱の課題曲のところで指を止め、折り曲げて思いきり癖づけて、めいっぱいに開いて譜面台へ。
    「実家の蔵に太鼓がありまして、幼少の頃に叩いて遊んだ程度は……当時は撥も持てませんでしたけれど」
     まあそれは、経験があるとはいえませんか。
     指先が軽く鍵盤をはたく。
     その目は譜面をちらとも見てはいなくて、当然にメロディはだんだん外れていく。聞いたことがあるようなフレーズと知らない音が入り混じる、すべてを強引につなぎ合わされたようなそれは、たぶん即興の演奏だった。「あは」楽しくなってきたらしい。「ふん、ふん、ふふふ……」調子外れの鼻歌交じりで、時に鍵盤から指をとり落としながら、まるで初めて触った子供のような表情で弾く。
    「ピアノの稽古をやめたのは三年前です。ちょっとは心配だったんですが、どうにかなるものですね」
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    とても暑い日だった。オレはたまたま行きあった患者を治療し、病院から帰るところだった。

    ***

    「では、また後日伺いますので」

    一人は一礼して病室を出る。踏みしめるリノリウムの床はひんやりとした空気を抱えており、外のじりじりとした熱射もここまでは届かない。夏の長い日がようやく傾きだし、まだ暑さが残っているだろうビル街を歩くと思うと憂鬱であったが、目の前で倒れた急病人を助けられたことで一人の心は風が通り抜けるようにすっきりとしていた。

    N県からふたつほど県境を越えたところにあるこの都市に来たのは、以前手当をした患者の経過を見るためであった。その用事を終えたときはまだ昼前であったが、帰路に着こうと大通りに出たところで急病人に行きあったのだった。
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