同胞暑い。
冬の夕暮れ時、普通なら寒くなり始める時間帯。それなのに、今日はとても暑い。まだ家から出てそんなに時間も経っていない、歩き疲れたから暑いとか、体力が無いからでは無い。うん、多分、いや絶対この人…棕櫚さんのせいだ。
「椿姫くん、本当に君は愛らしいねぇ〜女の子みたいだねぇ〜」
家から出て数十分間、この人はずっとこの調子で僕の周りをウロウロしたり、突然撫でてきたりして鬱陶しい…というか初対面の人に慣れないことをされたり言われたりして恥ずかしい。
「いつお辞めになるんですか、困ってますよ。」
涼さんが眉間に皺を寄せて棕櫚さんの首を掴んで引っ張った。見た目によらず力が強い。自分じゃ棕櫚さんをどう扱えば良いか分からないから助かった。
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