気付くまで。どうしてかなあ。不器用って自覚はあるんだけどさ、プロデューサーがそんなに鈍いと俺も不安になるよ。
何が?
自分の気持ちに。
…何のことかは分からないけど、羽風くんがそう思ってるならその気持ちを大事にした方がいいよ、きっと自分が思っている以上に羽風くんはしっかりしてるから。
それ、素で言ってるならたちわるいなあ。俺、多分一番分かりやすくアピールしてるのに。
はは、もしかして僕相手に?男はげろげろ〜が口癖だったと思ったけど。
…まあね、そういう時期もあったけど。
変わったよね、近い位置で見てたからかな。すごく変わったというか…素敵なアイドル、になったと思う。他人のことを誰よりも大切に考えて。優しいなって。…でもそれは僕が気付いていなかった、気付けていなかっただけなんだと思うよ。
もっと気付けてないこと、あると思うよ。
まだあるかな。
うん、俺がどんな想いで君にアピールしてるかってこと。
…あのさ、それは。
あははっ、ごめんね。少し意地悪しちゃったかも。俺はこれからも、君に素敵なアイドルって思ってほしいから頑張るよ。でも、少しは気付いて欲しいな。
努力します。
まだまだ時間はかかりそうだけど、俺は諦めないからね。君ってプロデューサーがいる限り、たぶんアイドルをやめることはないだろうし、好きって気持ちも止めないよ。
…ストレートに言われると、さすがに照れるね。
照れさせたいの。いつまでものらりくらりと逃げられてたら俺だって追い詰めたくなるし。…追い詰められてるのは俺の方かもしれないけどさ。
なんだか追いかけっこみたいになってるね。
それだとプロデューサーも俺のことを好きみたいじゃない?
あー…もしかしたら、もうそうなのかも。
……え?
はは、もう少しかな。