コノエとチャンドラの休暇が重なったあくる日のこと。
「天気もいいし、折角だからドライブでもどうですか?」というチャンドラの一言により、二人はオーブの市街地から離れた小さな浜辺を訪れていた。
ズボンの裾を捲り上げて濡れた砂浜に足を浸して、プラントでは縁遠い自然の海風を浴びながら、時折小さな生き物と遭遇しては足を止めて、少しばかり眺めてはまたのんびりと歩き始める。
人里から離れているためあまり人とすれ違うことも無く、誰の目にも時間にも囚われないゆっくりとした時間を二人は満喫していた。
「そろそろ腹減りません?」
「朝早く出たからね。そろそろ移動するかい?」
とは言ったものの、今日の目的はドライブをすることで、どこか目的地があるわけでもない。
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