午前の教養講習が終わり昼食も取ったその後の話。ウィックと遊んでいたら。執事のトクナガがやってきた。
トクナガは抱擁も黄金比もじいやと呼んでる人だ。教養から紳士の嗜みや料理まで万能な老人である。
それでいて人格者というのだから実は人じゃないのではと変なことを考えてしまう。
いつも黄金比と抱擁を優しく見守っている。
「抱擁様。このじいとお茶でも如何ですかな。今日はマフィンとクッキー、フルーツケーキをご用意しております」
「勿論、ご一緒させてください」
聞くだけで美味しそうなラインナップだ。じいやのお菓子は何でも美味しい。
「今日はいい天気なので、植物園で頂きましょうか。抱擁様、どうぞこちらへ」
ウィックと共に色とりどりの花が咲く植物園に向かった。数多の花達は長年かけてじいやが世話している。
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