救済論への解答その1(仮)「おい、起きろマイキー!遅刻すんぞ!」
優しい声にぱっちりと目を開けて、スマホの電源をつける。なんだ、まだ時間あるじゃんと二度寝を決め込もうとすると、もう一度大声でマイキー、と呼ばれて渋々起き上がった。このまま寝ようとしても耳元で永遠に名前を呼ばれて起こされるのを知ってるから。
「おはよ、ケンチン」
「おはよーじゃねえよ、もう一回寝ようとしやがって」
「だってねみーもん」
くぁ、と大きなあくびをしながら洗面台へと向かい、顔を洗う。最近、温水が出なくて修理に来てもらったばかりの古いそれはなんとか今日も温かい水を出してくれた。こんな寒い日に水なんか出されたらたまったモンじゃねえ。
「あーあービシャビシャじゃねえか」
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