【ⅣⅢ】ポメガⅢ ある休日のこと、俺はいつものように朝日の眩しさで目を覚ました。仕事で朝早く起きることが板についているため、俺は休日でも大人しくベッドから降りる。それから、いつものようにリビングに向かった。リビングには兄のⅤや、父トロンがいて、それぞれ朝食の準備をしている。毎朝の光景だ。いつもと少しだけ違うことがあるとすれば、弟のⅢの姿が見えないことだろう。Ⅴもトロンも、今朝はまだⅢを見ていないと言う。どうやら自室で眠りこけているらしいな。我が家の弟は、中坊にしてはしっかり者で、社会人の俺たちに合わせて朝の早い時間に起きる。アイツが寝過ごすのは珍しい。
家族と同じ部屋に居続けるのもダルいので、手早く朝食を済ませた後、俺は自室に戻ることにした。二階への階段を上がり、Ⅲの部屋の前を通り過ぎる。その時、壁越しに何やら声が聞こえてきた。
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