紆余曲折押し問答霧雨の森から秋の国の魔法使いの街に出かけた際。とうに日は沈み、ガス灯が石畳を照らす飲食店が立ち並ぶ通りを歩いていた時、一際客入りの良い賑やかな店を見つけたので立ち寄ることにした。
カランカランと鉄のドアベルが軽快に来客の情報を響かせる。
この店は軽食やおつまみ、アルコールを提供しているバーだったようで、店内は仕事終わりの男女で賑わっていた。
メネラはカウンター席に座り、サラミやチーズなどの軽くつまめるものとワインを注文した。
提供された酒の肴をつまみつつ、ぼんやりと考え事をしながらグラスを傾けていた時、近くのカウンター席に移動してきた赤ら顔の男2人が興味深い話をしているのが耳に入った。
ちょうど暇をしていたし、その2人はかなり飲んでいて上機嫌そうだったので接触を試みる。
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