古城は知っている古城は知っている

孤独を

主追い求め　迷い

梟の夜　静かに願った

栄華は　いつ訪れるのかと

歌があふれる日が来てほしい

二度と叶わない栄華を

古城は知っている

血を血を　あげる

静かに飲み込んで

深く闇色の眼のあなたは

もう光の元には戻れない

血をあげる

静かに飲み込んで

この掃き溜めの世界から　ともに希望を見つけましょう

ずっと泣いていたね

あなたの涙は黒く染まり　敵を穿つ　猛毒になる

血を　あげる

静かに飲み込んで

この人差し指は　あなたの頬のみを撫でる

泣かないで　前を向いて

この掃き溜めの世界から　ともに希望を見つけましょう

桜を食べさせてもし帰って来れたら　桜を食べさせてね

笑って　桜をかじれるひとときにしてね

焦燥感と不安に満ち　私はあなたを送り出した

手紙が来て　未知の世界は毎夜見る夢となった

信じたい　あなたの手紙を信じたい

遠い異国の花

桜を食べさせて　いつか

いともたやすくいともたやすく　あなたは舞い

いともたやすく　ねじふせた

その笑顔に抵抗する間もなく　すべては鮮烈に覚えている

どうしたら笑えるの？　どうしたらあなたみたいに前を向いていられるの？

あなたみたいに笑顔を武器にすること　私にはできない

こもれび光満ちて　こもれびがあふれる

こもれびの下　微生物が生きている

きりんもぞうもいるこの広い世界で　こもれびの下にも世界がある

じゃあ微生物の下にも　世界があるのかな　宇宙があるのかな

もっと小さい世界が　生き物が　生活が　愛しさが

こもれびの中に　きゅっとつまってたらいいな

赤い眼と鼻水の憂鬱セミの声
蒸し暑く　歌い

視界は　ぽわぽわと　霞んで

赤い眼と鼻水の憂鬱

自分の体　自分の体じゃないみたいで

赤い眼と鼻水の憂鬱

ああ　セミの声も　ぽわぽわと　意識の中でとろけて

ぽたんぽたん　ぽたん

雨落ちて

涙が世界ととろけてく

ぽたん　ぽたん

いつのまに　晴れ模様になっていく

ミルクティーミルクティー

ぽかぽかと　やわらかく　とろけるような

夢のひとしずく

静かにそっと　香る茶葉

あべこべ野良猫は家に入ってこようとする
飼い猫は脱走しようとする

虹が真上に虹が真上に

車の中からは見えなくて　ひたすら天井を見上げて

虹が真上に

窓からちらりと見えるだけ

目的地に到着したときには

消えちゃった

泡のトランポリン泡のトランポリン

それはもう二度と出会えない　夢で出会った世界

泡のトランポリン

ふわふわで　優しくて　虹色で

泡のトランポリン

もう二度と　出会うことはない

思い出の中で　忘れ去られて

泡のトランポリン

夢の果てに置かれて　セピア色になる