あとしまつ「スフィク、もういいってば」とイーサンが呆れてもなお、彼は寝台で座してひたすら謝罪を繰り返していた。強敵を倒した興奮そのままに、あろうことか勇者である彼を抱いてしまったのだ。どちらからも強引ではなかったと振り返るが、従者の分際で上になってしまったのもいけない。追放はもとより死、もよぎったが、それすらもぬるいと思える位、何よりも申し訳なかった。
だが彼は、泣きそうな顔を上げさせ不問にしただけでなく、謝らなくてもいい、こちらも望んでした事だし、君との交わりはとても癒やされ、元気が出るのだとも告げられ、そっと抱えられた。スフィクは大粒の涙をこぼすも、優しく拭ってくれる主人にその身を委ねるのだった。