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    _iikkrnggett

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    DONEぺらふぇす2023秋に
    野生のぺらっと
    で参加してみました
    本文はこちらになります
    【注意】BLではありません
    いわゆる「なろう系」っぽい異世界転生みたいなやつです
    おばさんに転生したおじさんがお嬢様を(今回は)諭すだけです
    ・無双してません
    ・魔法出ません
    ・異種族(エルフとか魔族とか)出ません
    ・悪役令嬢も世界を救う乙女も出ません
    何でも許せる方のみどうぞ
    はなせばわかる ~おじさんがおばさんに転生しましたけど?~はなせばわかる
    ~おじさんがおばさんに転生しましたけど?~

    報せを聞き庭師との雑談に興じていたが即座に辞してカムラはスカートの裾を持ち上げるようにして、走り出した。たびたびこういう機会はあるが、毎度面倒くさいと不満をおぼえるものの隅に追いやっている。それどころではないのだ。ほどなくして現場、雇い主であり領主の屋敷の一部、近所の子供にも開放された公園のような芝生の一角にたどり着く。そこで目にした光景が、おおよそ想定どおりだったことに、彼女は渋い表情を隠すことはできなかった。道中、使いに来た子に他の子らは急遽室内遊びに変更したので今は二人以外は居ない筈だと聞いていたので、ぽつんと当人たちが佇んでいるだけである。一人は地に手をつき、おそらく突き飛ばされて尻もちをついているのだろう。もう一人、こちらが我が主だが見守りの一人だった副執事のローグの背後に、気丈ながら立ったまましがみついている。そして二人揃ってわあわあと泣いているので、まずは鎮めるところからだ。それにしても、座り込んでいるご子息、第一夫人の二人目の子にして嫡男となるはずの、たしかラファストル様と云ったか、うちのジニー(ヴァージニア)様より一つ年上の九才であらせられるのに、従者におんぶを要求するなど、依然として甘やかされているのだなと解る。主人であるインディペイト伯爵は、いずれは家を背負って立つことになるだろう男児なのだから、もっと厳しくしてたくましく育って欲しいが、そんなことよりもむしろ、調和を優先し他の貴族達との結束を強めていく方が現状には合っている、家を導くのではなく使用人達によって盛り立てていけばいいと、夫人(第一)が頑として譲らないまま今に至っているというぼやきは、一介の家庭教師兼侍女であるカムラの耳にまで届いている。まあ、こちらはいわば政略結婚で、卿があまり得意ではない貴族社会での身のこなし方に長けている方なので、強く出れないのは致し方ない。政治のみならず貿易面でも孤立するわけにはいかないし、いくら伯爵の地位であってもそうなってしまえば領地経営も立ちゆかなくなってしまう。それも一理あるが、だからといって都会のストレス発散に、自然豊かな辺境で地元民をサンドバッグ代わりにするのはいかがなものか。
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    _iikkrnggett

    DONEペーパーウェル11参加作品のテキスト版です
    (くれぐれも注意事項)
    二次ではなく一次創作です
    全年齢でブロマンスラインにしてありますが
    本人はのちのちBLを想定して書いています
    苦手な方はご遠慮ください
    ちなみに
    いつぞやのモブ目線のやつ(https://poipiku.com/3510961/7471604.html)とほぼ同じ世界線ですが
    おっモブは出ません
    何でも許せる方のみどうぞ
    待ては甘露の時薬「いってらっしゃい。気をつけてね」
    「うん、わかってる、行ってきます」
     不安を隠しているのがうっすら感じ取れる母親の見送りとはうらはらに、小野寺朔哉は足取りも軽く、玄関を出た。外はそろそろ宵の内、勤めに出ている家族が帰宅してもおかしくない頃合いだが、今日の父は残業、六つ年上の姉は同僚とのちょっとしたガス抜きカフェがあるとかで、ともに不在である。まぁだいたいいつも通りなので気にすることではないが。愛用の原付を素通りして門を開け、すぐ脇に停められた水色の軽自動車に乗り込む。迎えに来たのは朔哉の(夜勤)バイト先のコンビニがある駅の係員、小此木花騎(もとき)(28才)。まだ着任して一年も経っていないが、その人当たりのよさと、爽やかそうな見た目もあって、だいぶ地元に馴染んできているように思える。そして朔哉にとって本来はコンビニ利用客とバイト店員、ごく稀に電車利用客と駅係員でしかなかったが、何かと顔を合わせることもあって、たまに食事をともにするくらいの仲にはなっており、きょうだいが姉しかいない彼に降ってきた兄のような感覚で接している。
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