夢見心地……いい加減にしろ「ありがとねほんとに」
「お気になさらず」
一人暮らしの先生が呑みに誘われ、担当の俺が介抱と留守番に駆り出され、そしてその通りあれこれ手をかけ、やっと床につかせたところである。
「こういうのの手当とかって」
「恐らく込みの給与体制でしょう」
「そかあ、メモしとくぅ」
その観察癖も、ほわほわした無防備な顔ではたぶん覚えていまい。そういう人だ。
「俺ここに居ますから、ちゃんと寝てください。締切伸びませんよ?」
「真面目だね……」
するりと寝息に入れ替わった。
「真面目……」
彼の頭を撫でる。下心有りの信頼だと解ってる筈だ。
「さすがに手は出しませんよ」
「そうなのか」
「酔ってないなら仕事するか」
「おやすみなさい」