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    アガルタの島

    『ISLE of AGARTHA アガルタの島』
    設定やこぼれ話などはこちらで。
    イラストは本垢にもあります。(タグ:アガ島)
    https://poipiku.com/920843/

    ***

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    アガルタの島

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    ヴィンスが島にきた時の話を、会話だけですがなんとなく書いてみました。どいつもこいつも口汚い…。(ヴィンス、ジル、ディーターのせい)

    ##シナリオ_特殊

    アガルタ島初日報告~登場人物(ヴィンス視点)~~登場人物(ヴィンス視点)~ヴィンス(31):新しくアガルタ島に駐在として赴任してきた。最近"ドデカイ仕事"を終わらせたばかりで、疲れている。口が悪いという自覚がある。酒が好き。
    モーリス(64):現駐在の爺さん。昔、世話になったことがある。いつ会っても、のほほんとしている。駐在所内ではなく、ジルと一緒に暮らしているようだ。
    ジル(22):馬車小屋を切り盛りする、生意気で背のでかい女。恐らく昔荒れていたところを爺さんに拾われ、恩義を感じている…といったところだろう。
    ディーター(34):島の酒場の店主。目つきがカタギじゃない。チャカを持ってそう。俺とあまり歳は変わらないらしい。恐らくマリエに惚れている。
    マリエ(19):酒場の看板娘。美人。愛想はいいが、腹の中では何を考えてるか読みにくい女。こういう手合いが一番厄介。恐らくディーターに惚れている。

    ---

    ヴィンス
    (ここがアガルタ島か…思ってた以上に寂れた島だな。)
    ??
    「おい。」
    ヴィンス
    「あ…?」

    ジル
    「おいおい、お巡りさんなら『あ?』じゃなくて『どうかしましたか?』だろ?」
    ヴィンス
    「何故俺の事を知ってる。」
    ジル
    「爺さんにアンタを迎えに行くよう頼まれただけだよ。」
    ヴィンス
    「あぁ…モーリス爺さんのお使いか。よく俺がそうだとわかったな。」
    ジル
    「ハッ、わざわざ観光でこの島に来る物好きなんかいないからね。アタシはジル。この島で馬車小屋を営んでる。さっさとついてきな。ついでに島を案内してやる。」
    ヴィンス
    (口の減らねぇ女だな…。)





    ジル
    「爺さん、戻ったよ。」
    モーリス
    「おお、戻ったかね。ご苦労さん。」
    ヴィンス
    「よぉ、久し振りだな。元気そうで何よりだ。」
    モーリス
    「ほっほっ。まだまだ、くたばるような歳じゃあないからねぇ。」
    ヴィンス
    「にしても、随分なじゃじゃ馬を抱えてるじゃねぇか。さぞ飼い馴らすのに苦労しただろ。」
    モーリス
    「ジルのことかい?あの子は優しい子だよ。」
    ジル
    「よせよ、ヴィンス。この爺さん、アタシの事になると急に頭のネジが飛んじまうんだ。」
    モーリス
    「ううむ…本当にそう思っているんだけれどねぇ。」
    ヴィンス
    (爺さんの人を見る目は、俺なんかより何枚も上手だ。優しい…ってのはジジバカのような気もするが、少なくとも悪いヤツではない…と記憶しておこう。大方、昔ヤンチャしていたところを保護された恩がある…ってとこだろうな。)
    モーリス
    「ヴィンス君。」
    ヴィンス
    「あ…?あぁ、何だ?」
    モーリス
    「この島を見て、どう思ったかね?君の率直な意見を聞かせてほしいんだが…。」
    ヴィンス
    「何というか…アンタから聞いてた話より、随分寂れた島だとは思った。何かあったのか?」
    モーリス
    「ううむ…やはりそうかね。島全体が疲れているような気がするだろう?聞くところによると、ここ10年くらいの間で色々な不幸や災害が重なっていたそうなんだ。」
    ヴィンス
    「港で船の転覆事故の話は聞いた。」
    モーリス
    「そうかね…その話はね、港や島で長く暮らす人の前ではあまりしない方がいい。その事故で身内を亡くされた方が、今も多くいるからね。」
    ヴィンス
    「わかった、覚えておく。で、仕事の引き継ぎの件だが…。」
    モーリス
    「ほっほっ。そう急かさない急かさない…時間はたっぷりある。君も働き詰めだったんだろう?のんびりやろうじゃないか。ここはね、確かに今は元気がない。けれど、目に見えないエネルギーのようなものを私は感じるんだよ。こういう話をすると、ジルは笑うんだけどね。」
    ジル
    「笑うかよ。心配になるだけだ…ついにボケちまったんじゃないかってね。」
    モーリス
    「君も現実的な人だからね、信じられないかもしれないけれど。」
    ヴィンス
    「え?あー…まぁ、そういうこともあるんじゃないのか?」
    ジル
    「ハハ、アンタって正直なんだな。」
    モーリス
    「ほっほっ。相変わらず、思ってもないことを言うのは苦手なようだねヴィンス君。」
    ヴィンス
    「…返す言葉もねぇ。」
    モーリス
    「いやいや、正直なのはいいことさ。ただ、そのせいで随分肩身が狭かったと思うがね。でも安心しなさい。ここでは周りの目を気にして、取り繕う必要はないからね。」
    ヴィンス
    「…そうかい、そりゃ何よりだ。」
    ジル
    「爺さん、いつまでそいつを拘束するつもりだ?長旅で疲れてんだ、酒の一杯でもやってさっさと寝ちまいたいだろ。そろそろ帰してやりなよ。」
    モーリス
    「おお、そうだね。ジルは気が利くだろう?本当にいい子なんだ。私はいささか、のんびりしているからつい話し込んでしまうんだよ。詳しいことは、また明日話そう。送っていこうかね?」
    ヴィンス
    「いや、少し歩きたい。道も覚えなきゃならんからな。明日からまた、よろしく頼む。」





    ヴィンス
    (相変わらず、話が長ェ…悪気は無ェし、実際尊敬もしているが…とりあえず島の酒場とやらに顔を出すとするか。)





    マリエ
    「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
    ヴィンス
    (ほう…?こりゃ、なかなかの…。)
    ディーター
    「マリエ、そいつの相手は俺がする。…来い。」
    ヴィンス
    (何だ?まだ口説いちゃいねぇだろ?この島の人間は、どいつもこいつも読心術の心得でもあんのか?)
    ディーター
    「…新しい駐在だろ。モーリスさんに話は聞いてる。初日から飲みにくるとは思わなかったがな。」
    ヴィンス
    「新しい場所に来たら、まず酒場に行く。情報も手に入りやすい。それに…酒の質は、地域の質でもあるっていうのが俺の持論だ。何か適当に出してくれ。」
    ディーター
    「…くたびれたジジイと、うるせぇガキしか来ねぇところで情報もクソもあるか。」
    マリエ
    「もう、マスター?大事なお客様に、何て口の利き方なの?…ごめんなさい、気を悪くしないでね?」
    ヴィンス
    (この二人…いや、デキてる様子はない。まぁ、歳も相当離れてそうだからな…悪い虫がつかないようにしてるようだが…。)
    マリエ
    「あの、お客さん…?」
    ヴィンス
    「…いや、悪い。それと、口の悪さなら俺も負けちゃいないぜ。気にするな。」
    マリエ
    「うふふ…そういうことなら、マスターといいお友達になれるかもね。」
    ヴィンス
    「かもな。」
    ディーター
    「フン……。」





    ヴィンス
    (あの陰険野郎…!!適当に出せとは言ったが、普通あんなドギツイ酒出すか!?ったく、こりゃ明日は仕事にならねぇな……まあ、それもいいか。酒の質は、地域の質……どうやらあの爺さんの言う通り、ここはただの寂れた島ってわけじゃあなさそうだ。)

    ---

    これが大体、本編が始まる1年くらい前です。
    お酒はだいぶ美味しかったみたいです。よかったね。(尚、二日酔い)

    いい人ぶったことを言うのが下手くそすぎて、署内でも大分煙たがられていたんでしょうね。のんびりのびのび暮らせるようになってよかったね。

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