僕のワガママと望み夕暮れ、待ち合わせ場所でいつも通り腕を組みながら
いつもとは違う格好でこちらを見つめる彼。
祭りの会場の近くで人が多くても
目立つ体格とその容姿に少し胸が高鳴りながら
僕もいつもとは違う格好で
不慣れさを勘づかれないように近くまで寄ると
正面からまじまじと見つめられながら
甘く低い声が降ってくる。
「まさかお前さんに誘われるなんざ思わなんだ」
「そう?僕だってどうせ行くなら好きな人と行きたいよ」
僕より背が高くて、ワイルドで豪快で、男らしくて……
そんな自分とは真逆と言ってもいいこの人に
思わず惹かれてしまうのに理由なんてなかったと思う。
「相も変わらずストレート表現なこって」
「嫌いじゃないでしょ?」
「勿論。」
歳が少し離れていて、余裕があって
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