その夜、バンは寝ながら考えていた。
―― 俺、バカじゃね? 何だよ、作戦会議て。つい勢いで言っちまったけど、一体キングと何するってんだ。だいいち豚の帽子亭ではエレインも一緒なんだぜ、どうやって内緒話するってんだ……。
だが、そんな心配は杞憂だった。
「え? 休むって具合でも悪ぃのか?」
豚の帽子亭コック監視員であるエレインが休むと言い出した。バンにとっては一大事である。そもそもエレインが蘇って以来、二人は常に一緒なのだから。
いや、この間姫さんらとの買い物に送り出したけど。
「ううん、違うの。とても元気よ。ええと、何ていうのかな、秘密?」
「秘密?」
「という事ではなくて内緒! じゃなくって、ううん、内緒だけど悪い内緒じゃないの! 本当よ、バン!」
747