[ミマモ]背伸びして町を眺めたかった エル・エルルは悩んでいた。
自分の城を囲む壁にある監視塔の一つから、城下町の様子を眺めようとしていたのだが、今の彼の背丈ではなかなか見づらい。
自分の望みで魔女となることを選んだことは後悔していない。
しかしこれはこれでなかなかやりづらいところもあった。
何度かぴょんぴょんと跳ねてみたりする。
すると、まだ復興途上なところもあるのに、なんだか魔女になる前より大きく見えた城下町が見える。
オトナに成長すると子供の時に慣れしたんだ町や公園が小さく見えてしまう……なんて言われたりするが、これは自分の身体の大きさによるものなのだろうか。それともオトナと子供の精神的な違いによるものなのだろうか。
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