バスボムより効果あり「飲みすぎました!」
「……」
「明日もお仕事です! が、お風呂に一人で入れる気がしません!」
大口を開けて笑う男を見て、こはくは本日三度目の大きなため息をついた。一度目のため息は彼からの帰宅時間の連絡があった際に済ませ、二度目は帰ってきたと思ったら玄関先で倒れ込んでいるのを見たときにこぼれた。
人脈とはどの業界でも大切なものである。特に斑のように、一人でアイドルとして活動する人間においてはなおさら。であるから、こはくも、彼が多少無茶をして横のつながりを作っていくことについて、責めるつもりは毛頭ない。しかし、限度というものはあろう。
「……」
「頼りになる相棒に頼みがあります! なあ、いいだろう、こはくさん。門限はぎりぎり守ったんだから」
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