そうは問屋が卸さない 選択の必要すらなく、消えていくそれを飲み込んだ。喉を通り、胎に辿り着いたものはしばらく空いていた穴を埋め安心感が胸を支配する。
そして、そのまま気を失った。幾ら体力お化けと言われようがキツかったらしい。
再び目を覚まして、いの一番に胎に納めた宿儺に声をかけるが消耗しすぎて喋れないのか、宿儺の意思を無視してしまったのがいけなかったのか……多分両方だとわかっていたので一方的に押し付けることにした。やり直してもいいと思ってくれるまで、呪いだと意地を張らなくてもいいんだと。
毎日、毎日何もない日でも些細なことでも話した。
「どうせ。起きちまったらくだらないとか価値なんてないとかいうんだろうけど、その考えが変わってくれることを期待して俺、一生懸命生きるよ」
1921