静かだ。ひと時も止まることなく流れ込んでくる情報も、いまばかりは黙して語らなかった。
ブランケットをめくりあげて、すやすやと眠っている友人のそばに滑り込む。拒絶されなかったことに、自然と口元も緩む。眠ったままでいるようにしたのは自分自身だとしても、不安はよぎるものだ。
ぴったりとくっついて丸まれば、多少は脳も休まった。
もはや今回の行く先に希望はない以上、続ける意味もない。眠りを妨げるものすべて先に止めてきたので、時が来るまでは眠っていられる。
”心臓”をつぶしてきた以上、いずれこの城も崩れ往き、友人と自分自身も崩落に巻き込まれるだろうが、それでいい。
いずれ朝がくるとしても、今ばかりは安息の時であった。