あおめくゅのおにゃに「ほにゃ…疲れたぁ…」
シャワーを浴びて髪を乾かしスキンケアやハンドケアなど寝る支度を整えると、ぼふん!と音を立て柔らかいベッドに疲れた体を預ける。
「はぁ…うぅ〜あいせくんが足らなぁい!」
うつ伏せに倒れたまま、パタパタと子供のように足をばたつかせる。
近頃は遠方での演奏会が続き、シェアハウスに戻っても中々ゆっくり過ごせない日々が続いていた。そして今も、恋人の部屋でも自分の部屋でもなく、遠征先のホテルのベッドに居る。
「会いたいなぁ…」
今すぐにでも会いに行きたい。キスをして抱き締めて欲しい。時計の針はとっくに日付が変わり皆が寝静まる頃。
例え突然電話を掛けても、あいせくんは優しい人だから怒らないかもだけど……
それはダメ!困らせたくない!良い子で居なきゃ!と言い聞かせ布団へもぐる。
(欲求不満…なのかな…うぅ、はしたないって思われちゃう……)
疲れているのだから早く休まないと…とは思うものの、頭に浮かぶのは愛する人の姿。
愛くるしい笑顔、柔らかい頬や髪…優しく撫でる指先、よく通る優しい声、そして自分を見つめる熱い視線。
それらを思い出してはギュッと自身の火照った体を抱き締め「はぁ…♡」と熱の篭った溜息を零す。
(うぅ…どうしよう。1人でしたら…怒られちゃう、かな?…でも……)
罪悪感を感じつつもそっと指に唾液を絡ませ、持参した可愛いピンク色のパジャマのズボンにそっと手を忍ばせる。少し熱を持ったペニスがひくんと跳ねる。
「っ……っ…んっ♡」
くちゅくちゅと長い指で包み込みゆっくりと扱いていく。
目を瞑り恋人の手や声を思い出しながら…
『あおめさん…』
「あぃ…せく…ん♡んっ…ぁ♡」
以前相手に伝えた自分の気持ちいい所を弄る。
(あいせくんはいつも優しく…こう、してくれて…♡)
『気持ちいいですか?』
「っ…♡ふぁ、気持ち、いい♡」
気持ちいいけど…足らない。
お腹の奥がきゅん♡と疼いてしまう。
(後ろ…弄ったら……でも、ボク……もう前だけじゃイケない…♡♡うぅ…中、欲しい♡)
燻る熱に堪らず薄らと目に涙が滲む。
(だめ、挿れたら…もっと欲しくなっちゃう……♡♡)
はぁはぁと息が荒くなる。他の刺激が欲しくてシャツのボタンを外し、ぷっくりと立った乳首に指を這わせる。
「っ♡ひゃっ♡♡んぅ♡……ふ、ぁ♡あぃ……せ、く……♡あんっ♡」
弱い乳首をクリクリと弄るとはしたなく腰が跳ね、ペニスからはとろりと先走りが零れ滑りが良くなっていく。
『本当に胸、好きなんですね』
「ぁ…好きぃ…♡あいせくんっ♡いっぱい…弄ってぇ♡♡」
禁欲していた体はあっという間に快楽に溺れビクンっと肩を揺らし「ぁあっ♡♡」と甘い声を上げてイク。
はふはふと息を切らして絶頂の余韻に浸る。少しだけ虚しく、より恋人に会いたくなってしまった。
「…ドロドロぉ」
などとぼんやりと自分の手のひらに出した濃い精液を見つめて苦笑する。ベッドサイドにあるティッシュを取りそれらを拭い、ゴミ箱へポイッと捨てた。
(…あいせくんも、ボクのこと思って…してくれたり…するのかなぁ?)
少しだけ気怠い体を起こし手を洗いに洗面所へ行く、ふと鏡に映るぼんやりと頬を赤く染めたまぬけな顔につい「可愛くない…」なんて呟く。
(こんな顔、見せてたのかも…恥ずかし……)
綺麗に手を洗い、またハンドクリームで保湿し、また力なくぼふん!と、ベッドへ横たわる。
(帰ったら…いっぱい…中……突いてほし、)
そんな淡い期待をしつつ下腹を撫でさすると、少しだけヒクンっと小さく痙攣する。
(…あれ?えっと、何だっけココ?なんとかぽるちお?)
恐る恐るまた下腹を…次はぐっとやや強めに押してみる。
「っ……!!?ひ、あ♡♡??」
一瞬だけ目の前がチカチカとする。
(あ、ダメ……♡これ、これ以上したら、もっと欲しくなっちゃう♡♡)
手を退けて思わず枕元のスマートフォンを手に取り恋人へメッセージを送る。
『会いたいよ。帰ったら、いっぱいえっちして?』
と、短い文章を送り。パシャリと自撮りをしてまた送信する。
(結局遅い時間なのに連絡しちゃった……でももう、はしたないとかみっともないとか汚いとか思われても良い…。そんなボクを、好きって言ってくれたから……)
写真は暗い場所で撮ったからか少しぼやけていた。
ベッドサイドにあるオレンジ色の照明に照らされた今にも泣きそうに潤んだ瞳、薔薇色の頬、はだけた衣服から覗くぷっくりとした乳首、薄らと肋の浮く腹や細い腰、そしてまた少しだけ兆した蕾。
やっぱり、可愛くない顔。君に会えないから全然可愛くない顔。
そして、恋人から慌てた様な電話が来るまで、あと5分。